平成22年度夏期講習会終わる




 十数年前、初めて夏期講習に参加し、朝いちの稽古テテテンが始まった。皆でテテテン。次第にテンポが速くなっていく。私は腕が痛くて落伍してしまった。後で家元先生が「今のテテテンに付いてこれなかった者は、稽古不足だよ。」と言われた言葉が胸に突き刺さり基礎の稽古が如何に大切であるか、思い知らされた。間もなく唄は弥佑先生が御指導下さる事になり、理論的にもきちんとした講義が受けられて、とても有難かった。
 ところで17年から5年計画が始まり、17年度末広狩。18年度五郎時致。19年度鶴亀。20年は還暦の会で無し。21年度小鍛冶。22年度は越後獅子。以上の曲を修得すれば、長唄の大半を理解できる、という事でもう私の中では夏期講習は年中行事の一つになっていた。今年はこれらの曲の集大成の年になるので、この異常な暑さの中を頑張る事にした。一日目、懐かしい方々と再会を喜び合い又、若い方々が頼もしい。
 一時間目、家元先生が腰の痛みを押して赤シャツでいらした。テテテンが始まる。今年も何とか付いて行けて嬉しかった。次は追廻し本手替手の連続弾きまくり、あっという間の時間の経過。ここでないと味わえない充足感だ。越後獅子の授業も進み、お囃子の稽古で鼓、太鼓。一朝一夕には打てないが、曲がすごく活きてくると感じた。晒の合方での序破急のある事又、本調子で大事なことは?と質問されてもわからない。誰かが一の糸の3番、二の糸の0、三の糸の4番と答えた。又、鼓を打ってる後を通ると鼓の皮が破れる事があるそうだ。これら先生方のお話の中に、一つまた一つと、この年になっても目からウロコの事が多々あるのが嬉しい事だ。
 三日目は最後に全員で越後獅子の演奏をした。家元先生太鼓。弥佑先生唄と鼓。三味線替手かをる先生、陽子先生。本手を全員で、心に残る演奏だった。最後に先生親子の会話が聞けて、これは儲けものだった。
 楽屋で雨が降ってくると、唄方の弥佑先生は「おしめりで喉の具合が良くなるので嬉しい。」と家元先生は「三味線の皮が破れないか心配だ。」と皆んなで大笑い。本当に充実した三日間だった。長唄の奥深さをもっともっと勉強して行きたいと、末年の再会を約して帰途についた。

松山支所 弥代葉




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