杵屋淨貢先生講習会「出雲のお国」





 六月七日、盛岡は朝から岩手富士に梅雨の雲がわき、雨と一緒に上京しおけいこの末席に加えさせていただいた一日でした。杵家会館で、杵屋淨貢先生が、おじい様の五世杵屋巳太郎作曲、出雲のお国の講習が行われ、棒しばりや茶壺等、狂言をテーマとした、楽しい曲を作曲しておられます。又、私達講習生に、家元先生は、弟分みたいなので、かたくならずに、けいこして下さいとおっしゃり、けいこが始まりました。歌舞伎おどりの創始者、お国の縁起ものみたいな事がその時代背景にあって、文章が歌詞になっていて、その文章にも価値があるとおっしゃられ、この曲には、長唄の手法が沢山とり入れてあり、簡単に覚えられるけれど、簡単に忘れるともおっしゃり、私達に一生懸命におけいこし、忘却を繰り返すことを言っているんだと思いながらのけいこでした。又名古屋山三は、お国と歌舞伎踊を創始した。とされているが時代がずれていると教えていただき、お国は、時代のスター的な人だったので、名古屋山三は、思い焦がれていたのではと、私は思案しました。花見の場面は、踊りたくなるような拍子で、念仏踊りも一緒で身体でリズムをとりたくなるような楽しい、一節一節でした。譜面は、文化譜に直して下さり、初見でも弾くことが出来たのは、三線譜の偉大な力だと思いつつのけいこでしたが、二時間余の間は、時を感じることなく終了しました。又同様の講習会の機会に恵まれることを思いつつ、小雨の中家路に着きました。

釜石支所 弥多寿




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