喜三久先生講習会「京鹿子娘道成寺」





喜三久先生の講習会に参加して

 道成寺物は各種有り、長唄の中で一番種類の多い曲だそうです。能の道成寺に由来するのですが、一番能に近いのが「紀州道成寺」とのこと。
 扣ョー「花の外には〜響くらん」で始まり、すぐに乱拍子、▲ヒー▲ョータxホー○チチ○ホー○ヘーイヤータです。これは略式だそうで紀州のものが本式(四方乱拍子)。しかし今では紀州の舞踊でさえ七割が娘道成寺の乱拍子を使用するとの事。「ヘー」の掛声の時踊り手の足は蛇のウロコを画きます。次に「急の舞」が有り、上げの「イヤータ」にわずかにずれて、三味線の消しが入ります。「蓮花ものじゃえ」の次が「まり」。立「○○タタタ」に続きアドリブ。脇以下「○スタ○」を繰り返す。立脇三枚目と順にアドリブを担当する場合もある。三味線の部分が鼓、唄の部分が太鼓。「煩悩〜思いそめたが」迄が鼓ニ調の打合せ。
 三下りになり合方を太鼓が「楽」を打ちます。「梅さん」は太鼓地。松虫鐘が太鼓に逆らう様に遊んで入る。二ハイ目は裏間で打つのでコミックソングの様相を呈します。この手法は喜三久先生の考案だそうです。「西も東も」は太鼓。「かわゆらしさの」の次に「チンチリレン」が入ります。舞踊でも素の長唄でも追廻しを弾かぬ場合が多々あるそうですが、お客様の多くがこれを楽しみに来場されるので必ず入れるべきであると喜三久先生は強調されました。「クドキ」のあとの「カッコ」は太鼓と大小。そして山盡しは大小。「待乳山」迄はハイテンポが続きますが、「我三上山〜稲荷」はスローテンポとなり大小ともベタ付き。「稲荷」の後更に早間が続きその後「猿程に」となる場合と、合方の後「ただたのめ」へと続く二手に分かれます。「ただたのめ」の中で打つ太鼓を「太鼓地三伝」(「執着」、「高砂丹前」、「娘道成寺」)と言い、鐘、笛無し。これが打てたら本物と言われるそうです。「花に心を深み草」、「園に色良く」となり歌舞伎ではおしもどしとなります。「娘道成寺」は能に色々手を加えショー的に作り直したとも言えると言う人もあるそうです。
 後半の「ただたのめ」以後が載った「戦前譜」が会館二階資料庫@にありますので必要な方はコピーしてくださいとの家元先生からのお話が有りました。
 最後に、いつも魅力的で素晴しい舞台と、沢山の事が学べて楽しい講習会をいつ迄も続けてくださいますよう。喜三久先生のご健勝を心よりお祈り申し上げます。

本部 弥佐乃




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