喜三久先生講習会「娘道成寺」





 2月11日、杵家会館で行われた堅田喜三久先生の講習会を受講させていただきました。家元先生、弥祐先生、弥寿治先生も臨席され、受講者一同、喜三久先生の楽しく貴重なお話に、あっと言う間の2時間を過ごしました。
前回に引き続いての「娘道成寺」に加え、今回は、「紀州道成寺」も教えていただきました。
 「道成寺」は、能の世界では、非常に格式の高い演目であり、激しい乱拍子や、危険を伴う鐘入りなど、打つも舞うも後見も命がけの、特別な演目であるとのことです。今回教えて頂いた長唄の二つの道成寺は、能の道成寺をもとにしながら、非常に対照的な2曲であるとのお話でした。
 「娘道成寺」は、ひたすら明るく楽しいエンターテイメントで、江戸時代の当時の観客は、格式の高い道成寺の大胆なアレンジに、さぞや驚いただろうとのことです。例えて言うならば、猿之助のスーパー歌舞伎のようなもので、格式が損なわれたと眉をひそめる人がいる一方で、その楽しさに観客は大受け、という状況であったろうということです。一方の「紀州道成寺」は、能の格式を受け継いだ、重みのある曲で、踊りも長唄も、芸歴の長い方が演じることが多いとのお話でした。
 講習会では、唄、三味線と、お囃子との合い口を、喜三久先生が三味線を爪弾きながら、流れにそって教えてくださいました。注意すべき重要箇所に加え、流派による違いのある箇所など、さまざまな事をお教えくださいました。実際の演奏での、囃子方と三味線方のプロ同士の丁々発止など、手に汗握るようなお話もうかがえて、とても楽しく、また、勉強になりました。
 貴重なお話をうかがう、たいへん贅沢な講習会を、ありがとうございました。

七可鷺




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