喜三久先生講習会「志賀山三番叟」





 経験年数の浅い私が参加させて頂いてよいものなのか、と恐る恐る受講しました。軽快なテンポのお話に、理解が伴わない点も多々ありましたが、『三番もの』およびお囃子について知る大変良い機会となりました。
 「志賀山(舌出し)三番叟」は、大鼓のかけ声を聴いて、「おおさえおおさえ」と出るのですが、鼓のかけ声が入っている為にかけ声を聴く(聞き分ける)難しさがあるのだそうです。これまでお囃子が入る演奏の時、鼓や大鼓の音を懸命に聴いて入ろうとしていましたが、かけ声を聞き分けるのだと言うことを知りました。
 「三番叟」のお囃子は鼓が三人並び、タテ=頭取は真ん中に座るのが原則です。他にも三番叟だけの決まり事がお囃子には多くあるそうです。その一つが「翁送り」と「三番叟」の間に、交響曲などの一楽章が終わり次の楽章に入る前と同様の間を取ります。一旦鼓を置き他の楽器も調子を見るような仕草をする決まり事があり、それを活用して、八年前に亡くなられたお兄様の朴星師に、喜三久先生の記念演奏会で、翁三番叟の翁送りの後、舞台に登場してもらったのだそうです。
また、〆緒が固結びになってしまいぎりぎり演奏に間に合ったと静かな表情で舞台に立たれる喜三久先生の冷や汗をかかれたお話など、楽しく聴かせて頂きました。
 私はものづくりの会社で仕事をしていた時に、技術者には機械の動かし方を習得し、その先にある「何を作るか」の重要性を認識させるようにしていました。この度の講習ではお囃子の技術論ではなく、どのように演奏するのか、と言う姿勢を問われていると気付かせて頂きました。
人間国宝である大先生のご講義を拝聴する機会を頂き、心から感謝しています。

弥華梅

 




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