第7回講習会「唄の定型基礎講座」終わる





満開の桜に迎えられ、四月八日、二十三名の受講者が出席して稀音家義丸先生の「唄の定型」の講習が開かれました。日頃お稽古で耳にしたり唄ったりする節も、決まった節のある場合はそれを守らなければいけない、ということで、鼓唄から始まりました。曲の初めに来るもの、曲中にあるもの、鼓唄に三味線が入ってはいけないもの、三味線が入らなければいけないもの、又、配られた資料にある曲の外に、「鶴亀」の出だしに二つの型があって研精会は琴唄として、杵家では鼓唄として唄うこと、「鷺娘」は譜に鼓唄とあってもホソリであること。始まったばかりで既に義丸先生のご造詣の深さに驚いておりますのに、これはホンの始まりで、進むに従ってますますその感が増してゆくのでした。続いて道行に入り、ブンヤとも称せられ、研精会型は割って唄うとのことです。従って三味線の手の数が合わなくなるときは数を増減するということを知らなければいけない、これはお相手の三味線を勤めてくださった家元先生のご注意。「松の緑」の「双葉のいろに・・・」は割って唄うとのことです。
オトシでは唄じりを振るもの振らないもの。河東オトシでは決まった節があるのでぜひ覚えてくださいと特に強調されました。家元先生も河東オトシの弾き方は決まっているので譜にどう書いてあろうとも惑わされてはいけないと、義丸先生共々時間をかけて丁寧に教えてくださいました。レイゼイも同様に多くの曲に出てくる旋律で、半レイゼイも共に大事に唄うこと。また、「吾妻八景」の「江戸むらさき・・・」は河東節のレイゼイであること。
アミド、ツキユリと進み、舟唄と浜唄との違い。投ブシと大津投ブシの特色、江戸投ブシは「都々逸」に転用できる、と先生の知識の豊富さに石になっていた私達をフッと和ませてくださいました。次がオンド。江戸型と西型=川崎音頭(神奈川県の川崎ではありません)の違い。江戸型は振ってはいけない。「傾城」を例にこの曲では絶対に振らないでというところが三個所。振りたくなるでしょ、とおっしゃりながら。「廓丹前」と「喜三庭」にもそれぞれ一個所あることを指摘されました。江戸型に反して西型は、振らなければいけない。「枕獅子」(「鏡獅子」にも同じところがありますが)を唄って一個所の振りどころを示されました。
珍しかったのは「めりやすの型」と「顔見世の型の段切」で、型があることすら知りませんでした。
今回はここまでで、義丸先生と家元先生が豊富に例を上げ、自ら唄、三味線の範を示して熱心に教えてくださり、時間をオーバーする程でした。係りとしましては中身の濃い講習であったと感謝しております。「大薩摩」の資料も頂きましたが、残ってしまいました。ぜひ、近いうちに講習会で取り上げたいと思っています。

講習委員会 杵家 七万理




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