稀音家六四郎先生「都風流」講習会終わる





 私は大変失礼ながら、稀音家六四郎先生にお会いしたのは勿論、演奏をお聴かせ頂いたのも初めての経験でした。まずこの曲の中には千成市から始まり、草市、菊供養、べったら市、酉の市、歳の市までたくさんの市が出てきて、暗い時代にあっても明るく、又明るいけれどどこか哀愁のある曲になっている事をお話し下さいました。その後お稽古が始まりますと、最初に六四郎先生が弾いて下さりその後皆で一緒に弾くという事を繰り返して下さり、時間がたつのはあっという間でした。その最中のご口調もずっと穏やかで、時に冗談を交えてのお話も優しくわかり易くとても勉強になりました。私などは、今度の弥しゃご会で「都風流」を弾く事にはなっているにも関わらず、お恥づかしい話ですが、この日まで一度も替手の方は弾いた事がございませんでしたので、とても新鮮な感覚でした。
 本当にあっという間の二時間弱でした。
 ですが、正直に申しますと、一番印象に残っておりますのは六四郎先生のお三味線の音色でした。又また大変失礼ながら、先生のルックスと声量は俳優の中尾彬風でございました。それなのに、「では前弾きから始めますね」と弾き始めた音に私はとっても色っぽい音!!と思いました。かをる先生に入門して以来ずっと「音は変わるのよ、結婚しても、子供を産んでも、その人の人生に沿って変わるのよね。」と言われ続けていて、私の音は変わっているのかしら?といつも思っている私にとっては、私たちのお家元先生でもない、かをる先生でもない六四郎先生のあの音色を聴けた事はとても貴重で嬉しい体験でした。同時に、「うーんどんな経験をされて来られたのかしら?」という謎にはまりました。
 先生の音色に対しての感想で色っぽいなどと大変失礼な事を書いてしまいました。先生諸先輩の方々、お許し下さいませ。私の音が風流に変わる日が来る事を密かに願っている私の音は未だに無風流です。

弥七る導




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