義丸先生講習会「熊野」






 十一月の末、義丸先生による「熊野」の講習会がありました。この曲は長いと云う事もあってあまりお浚い会等には出曲されませんのでお稽古初めてと云う方もいらっしゃいました。「熊野」は謡曲に材をとり、はじめに「是は平の宗盛なり。扨も遠江の國池田の宿の長をば熊野と申し候…」と云う名のりで始まります。但し熊野と云うのは宗盛に仕えていた女性です。その熊野の老母が労り(病)と云う事で東へ帰る願いを求めていたのですが、せめて今年の花見を終わらせてからと。そのあと京の花見が美しく唄われ、散る花から尚一層老母の事が思われて、宗盛に「實に哀なり」と云わせ東へとくだって行くと云う曲です。宗盛が武士と云っても公家である事、又初めの方で三度「畏って候」と云う言葉が出てくるのですが二度は太刀持、最後は熊野、これをそれぞれに唄い分ける為には、三味線への受け、渡し方、太刀持の年令、その時々の体の形等、語る所、唄う所、長い小節に序破急があり又その中の部分部分に序破急があると云う事、老母の手紙を読んでいる内にだんだん昂じて来る感情の流れを大切にと。
 家元が風邪で体調が悪く義丸先生も家元を気づかっての稽古でしたがとても良い勉強をさせて戴きました。長い曲なので半分迄。残りは来年のお楽しみと云う事でした。

本部 弥萩




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