道成寺 参拝ツアーの記・ばち塚に桜の苗木を献木





 杵家会報の平成四年七月号に、七媼先生が次のような記事を書かれています。『四世杵家弥七は、毎月出稽古をしていた和歌山の、長唄にご縁の深い道成寺に、使い古した撥を納めることができるようにと「ばち塚」を建立された。これは清姫が安珍を追って蛇体となって日高川を渡り、大蛇は安珍が逃げ隠れた鐘を巻いて、炎を吐いて焼殺したという時から、丁度千年後の昭和四年、鐘巻き一千年祭の折でした。また平成四年四月の道成寺参拝ツアーでは、本堂の御本尊千手観音様の前で「紀州道成寺」 の奉納演奏を行なった。』
 今年のツアーは、紀州みかんが美味しく実る侯、十一月十二日に、家元、七媼先生、弥佑先生もお揃いで、北海道、東北、関西の各支部や徳山、和歌山の方々も含め三十七人の方が参加されました。今年は、撥の供養のほかに、ツアーの参加者が記念として、「ばち塚」 に桜の苗木を献木しました。本堂の左手奥にある「ばち塚」 に、持ってきた撥を収納し、また、塚の左側に植樹し、その後、ご住職小野成寛師の読経があり、全員でお焼香をしました。
 ご住職のお計らいで「ばち塚」は、桜が大きく育っても見栄えがするように、石組を追加して一回り広くなりました。植えた桜は「江戸彼岸」という種類のもので、謡曲「道成寺」 に因む入相桜の三代目となるものだそうです。「紀伊国名所図会」に『道成寺の境内には、入相桜の二代目がある』とあり、現在、道成寺の本堂と宝仏殿の間にある桜が、その人相桜であり、植樹した桜の親桜になるわけです。
 一行は縁起堂で、道成寺縁起絵巻による絵とき説法を伺ったりして、ほどなく入相の鐘も聞こえてきそうな時分に、バスで道成寺を後にして、宿泊先の南紀白浜へと向かった。
 翌日は、白浜と紀伊田辺の中ほどにある、富田(トンダ)川に沿って二十キロほど入った真砂(マナゴ)の里を訪ねる。清姫橋のたもとの小さな森の中に清姫の墓と清姫薬師堂がある。清姫堂の建つ岩の下には、富田川の清流の淵が澄んで紀伊の山の森に囲まれて静かに流れていた。
 その後、有田市内のみかん園でみかん狩りを楽しみ、和歌山市内で昼食をとり、和歌山支所の弥千寿さんのお見送りをいただいて、一路帰途についた。
 天候にも恵まれ、大変に楽しい旅行でした。この旅行の企画・運営をしていただいた事業委員の七歌代先生と弥佳清先生に心から感謝申し上げます。

七 裕

ご住職と一緒に。

桜が花を咲かせるのが楽しみです。




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